白石忠志    SHIRAISHI Tadashi 

平成25年独禁法改正法附則

◎私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律
(平成二十五年十二月十三日法律第百号)

〔本則は略。〕

 附則

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第十五条及び第十六条の規定は、公布の日から施行する。
(施行日前に排除措置命令又は納付命令に係る通知があった場合についての経過措置)
第二条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に一の違反行為について当該違反行為をした事業者又は事業者団体若しくはその構成事業者(事業者の利益のためにする行為を行う役員、従業員、代理人その他の者が構成事業者である場合には、当該事業者を含む。附則第七条第一項において同じ。)の全部又は一部に対し改正前の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「旧法」という。)第四十九条第五項(旧法第五十条第六項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定による通知があった場合における当該違反行為を排除し又は当該違反行為が排除されたことを確保するために必要な措置を命ずる手続、課徴金の納付を命ずる手続、課徴金を徴収し又は還付する手続、審判手続(審判官の指定の手続を含む。次条及び附則第四条において同じ。)、当該審判手続による審決の取消しの訴えに係る手続その他これらに類する手続として公正取引委員会規則で定めるものについては、なお従前の例による。
(施行日前に独占的状態に係る審判開始決定書の謄本の送達があった場合についての経過措置)
第三条 施行日前に旧法第五十五条第三項の規定による審判開始決定書の謄本の送達があった場合における独占的状態に係る商品又は役務について競争を回復させるために必要な措置を命ずる手続、審判手続、当該審判手続による審決の取消しの訴えに係る手続その他これらに類する手続として公正取引委員会規則で定めるものについては、なお従前の例による。
(施行日前に認可の取消しに係る審判手続を開始した場合についての経過措置)
第四条 施行日前に旧法第七十条の十二第一項の規定により審判手続を開始した場合における審判手続、当該審判手続による審決の取消しの訴えに係る手続その他これらに類する手続として公正取引委員会規則で定めるものについては、なお従前の例による。
(審決を受けたことがある者に対する納付命令に関する規定の適用関係)
第五条 改正後の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「新法」という。)第七条の二第一項(同条第二項において読み替えて準用する場合を含む。)又は第四項の規定により課徴金の納付を命ずる場合において、当該事業者が、同条第一項、第二項又は第四項に規定する違反行為に係る事件についての調査開始日(当該違反行為に係る事件について私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第四十七条第一項第四号に掲げる処分又は同法第百二条第一項に規定する処分が最初に行われた日(当該処分が行われなかったときは、当該事業者が当該違反行為について新法第六十二条第四項において読み替えて準用する新法第五十条第一項の規定による通知(次条において「事前通知」という。)を受けた日)をいう。第三項において同じ。)から遡り十年以内に、旧法第五十一条第二項の規定による審決を受けたことがあるときは、当該審決を新法第六十三条第二項の規定による決定とみなして、新法第七条の二第七項及び第九項の規定を適用する。
2 新法第七条の二第一項、第二項又は第四項に規定する違反行為をした事業者が法人である場合において、当該法人が合併により消滅したときは、当該法人が受けた旧法第五十一条第二項の規定による審決を新法第六十三条第二項の規定による決定とみなして、新法第七条の二第二十四項の規定を適用する。
3 新法第七条の二第一項、第二項又は第四項に規定する違反行為をした事業者が法人である場合において、当該法人が当該違反行為に係る事件についての調査開始日以後においてその一若しくは二以上の子会社等(新法第七条の二第十三項第一号に規定する子会社等をいう。以下この項において同じ。)に対して当該違反行為に係る事業の全部を譲渡し、又は当該法人(会社に限る。)が当該違反行為に係る事件についての調査開始日以後においてその一若しくは二以上の子会社等に対して分割により当該違反行為に係る事業の全部を承継させ、かつ、合併以外の事由により消滅したときは、当該法人が受けた旧法第五十一条第二項の規定による審決を新法第六十三条第二項の規定による決定とみなして、新法第七条の二第二十五項の規定を適用する。
第六条 新法第二十条の二の規定の適用については、当該事業者が、同条に規定する違反行為に係る事件について私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第四十七条第一項第四号に掲げる処分が最初に行われた日から遡り十年以内(当該処分が行われなかったときは、当該事業者が当該違反行為について事前通知を受けた日から遡り十年以内)に、同法第十九条の規定に違反する行為(同法第二条第九項第一号に該当するものに限る。)について旧法第六十六条第四項の規定による審決(原処分の全部を取り消す場合のものに限り、附則第二条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるものを含む。)を受けたことがあるとき(当該審決が確定している場合に限る。)は、当該審決を新法第二十条の二の規定による命令であって確定しているものとみなす。
2 新法第二十条の三の規定の適用については、当該事業者が、同条に規定する違反行為に係る事件について私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第四十七条第一項第四号に掲げる処分が最初に行われた日から遡り十年以内(当該処分が行われなかったときは、当該事業者が当該違反行為について事前通知を受けた日から遡り十年以内)に、同法第十九条の規定に違反する行為(同法第二条第九項第二号に該当するものに限る。)について旧法第六十六条第四項の規定による審決(原処分の全部を取り消す場合のものに限り、附則第二条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるものを含む。)を受けたことがあるとき(当該審決が確定している場合に限る。)は、当該審決を新法第二十条の三の規定による命令であって確定しているものとみなす。
3 新法第二十条の四の規定の適用については、当該事業者が、同条に規定する違反行為に係る事件について私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第四十七条第一項第四号に掲げる処分が最初に行われた日から遡り十年以内(当該処分が行われなかったときは、当該事業者が当該違反行為について事前通知を受けた日から遡り十年以内)に、同法第十九条の規定に違反する行為(同法第二条第九項第三号に該当するものに限る。)について旧法第六十六条第四項の規定による審決(原処分の全部を取り消す場合のものに限り、附則第二条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるものを含む。)を受けたことがあるとき(当該審決が確定している場合に限る。)は、当該審決を新法第二十条の四の規定による命令であって確定しているものとみなす。
4 新法第二十条の五の規定の適用については、当該事業者が、同条に規定する違反行為に係る事件について私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第四十七条第一項第四号に掲げる処分が最初に行われた日から遡り十年以内(当該処分が行われなかったときは、当該事業者が当該違反行為について事前通知を受けた日から遡り十年以内)に、同法第十九条の規定に違反する行為(同法第二条第九項第四号に該当するものに限る。)について旧法第六十六条第四項の規定による審決(原処分の全部を取り消す場合のものに限り、附則第二条の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるものを含む。)を受けたことがあるとき(当該審決が確定している場合に限る。)は、当該審決を新法第二十条の五の規定による命令であって確定しているものとみなす。
(排除措置命令等が確定した場合における損害賠償に関する訴えに関する経過措置)
第七条 施行日前に確定した旧法第四十九条第一項に規定する排除措置命令(排除措置命令がされなかった場合にあっては、旧法第五十条第一項に規定する納付命令(旧法第八条第一号又は第二号の規定に違反する行為をした事業者団体の構成事業者に対するものを除く。次項において同じ。))又は旧法第六十六条第四項の規定による審決に係る違反行為に係る私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第二十五条の規定による損害賠償に関する訴えについては、なお従前の例による。
2 附則第二条の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後に確定した旧法第四十九条第一項に規定する排除措置命令(排除措置命令がされなかった場合にあっては、旧法第五十条第一項に規定する納付命令)又は旧法第六十六条第四項の規定による審決に係る違反行為に係る私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第二十五条の規定による損害賠償に関する訴えについては、なお従前の例による。
(審判官に関する経過措置)
第八条 附則第二条から第四条までの規定によりなお従前の例によることとされる審判手続に係る事務が終了するまでの間は、新法第三十五条第三項の規定の適用については、同項中「局務」とあるのは、「局務(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律(平成二十五年法律第号)附則第二条から第四条までの規定によりなお従前の例によることとされる審判官の指定の手続により、公正取引委員会が審判官を指定して行わせることとした事務を除く。)」とする。
2 旧法第三十五条第七項から第九項までの規定は、附則第二条から第四条までの規定によりなお従前の例によることとされる審判手続に係る事務が終了するまでの間は、なおその効力を有する。
(競争を回復させるために必要な措置を命ずる審決に関する規定の適用関係)
第九条 旧法第六十五条又は第六十七条第一項の規定による審決(当該審決が確定した場合に限る。)については、新法第六十四条第一項に規定する競争回復措置命令であって確定したものとみなして、新法第六十八条及び第七十条の三第三項の規定を適用する。
2 旧法第六十五条又は第六十七条第一項の規定による審決(附則第三条の規定によりなお従前の例によることとされる場合における旧法第六十五条又は同項の規定による審決を含む。)が確定した場合において、当該審決を受けた者が施行日以後においてこれに従わないときは、当該審決を新法第六十四条第一項に規定する競争回復措置命令であって確定したものとみなして、新法第九十条第三号、第九十二条、第九十五条第一項第二号、第二項第二号及び第五項、第九十五条の二並びに第九十五条の三の規定を適用する。
(緊急停止命令に係る事件の手続に関する経過措置)
第十条 この法律の施行の際現に裁判所に係属している旧法第七十条の十三第一項及び旧法第七十条の十四第二項において準用する旧法第七十条の七第一項に規定する事件の手続については、なお従前の例による。
(施行日前に認可申請の却下等の審決を受けた者に対する抗告訴訟に関する経過措置)
第十一条 旧法第七十条の十一第一項及び第七十条の十二第二項の規定による審決については、新法第七十六条第二項に規定する決定とみなして、新法第七十七条、第八十五条(第一号に係る部分に限る。)、第八十六条、第八十七条及び第八十八条の規定を適用する。
2 この法律の施行の際現に旧法第七十七条第一項に規定する期間が進行している前項に規定する審決の取消しの訴えの出訴期間については、なお従前の例による。
3 第一項の規定にかかわらず、この法律の施行の際現に係属している同項に規定する審決に係る行政事件訴訟法(昭和三十七年法律第百三十九号)第三条第一項に規定する抗告訴訟については、なお従前の例による。
(過料についての裁判の手続に関する経過措置)
第十二条 施行日前にした旧法第四十九条第一項に規定する排除措置命令及び附則第二条の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした同項に規定する排除措置命令に違反する行為に対する過料についての裁判の手続については、なお従前の例による。
2 施行日前にした旧法第七十条の十三第一項の規定による裁判及び附則第十条の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした同項の規定による裁判に違反する行為に対する過料についての裁判の手続については、なお従前の例による。
(処分、手続等に関する経過措置)
第十三条 施行日前に旧法又はこれに基づく命令の規定によってした処分、手続その他の行為であって、新法又はこれに基づく命令の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、新法又はこれに基づく命令の相当の規定によってしたものとみなす。
(罰則に関する経過措置)
第十四条 施行日前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第十五条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第十六条 政府は、公正取引委員会が事件について必要な調査を行う手続について、我が国における他の行政手続との整合性を確保しつつ、事件関係人が十分な防御を行うことを確保する観点から検討を行い、この法律の公布後一年を目途に結論を得て、必要があると認めるときは、所要の措置を講ずるものとする。

〔他の法律を改正する条は略〕

  SHIRAISHI Tadashi